採用サイトは“作って終わり”じゃない──選考での声を活かし、採用サイトを“育てた”企業の成功ストーリー
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「せっかく数百万かけて採用サイトをリニューアルしたのに、期待してたほど応募が来ない…」
もしかして、こんな経験ありませんか?
そんな方にお伝えしたいのは
採用サイトは「完成品」じゃなくて、「未完成である」ということです。
求職者のリアルな声や選考でのフィードバックを元に、常に改善を重ねていくべき、人事が主体的に”育てる資産”なんです。
今回のコラムでは、iRecの「更新し続けられる強み」を活かして採用成果を上げた企業の成功事例を、具体的なプロセスと一緒にお伝えします。読み終わる頃には、求職者との距離をぐっと縮めるヒントが見つかるはずです。
目次
採用サイト、作ったまま放置していませんか?
「よし、採用サイト、リニューアル完了!」
数百万円かけて、デザインも洗練されて、社員インタビューも充実。
満足のいく採用サイトが完成しました。
でも、それから半年、1年、2年──。
気づけば、サイトの情報は公開当時のまま。募集要項も、社員インタビューも、更新されていない。
「忙しくて、なかなか手が回らなくて…」
「何を更新すればいいか、正直分からなくて…」
実は、多くの企業が、採用サイトを一度作ったら、そのまま放置してしまっているんです。
採用サイトは公開後も継続的に情報を更新し、コンテンツを増やしていくことが重要。
効果を生むには、サイトを「育てる」という視点が不可欠です。
あなたの会社の採用サイトは「作って終わり」になっていませんか?
もしそうなっているのであれば、とてももったいないです。
更新されないサイトは「応募を遠ざける」
ここで、ちょっと衝撃的な事実をお伝えします。
更新が止まった採用サイトは、求職者から「この会社、採用に力を入れていないのかも」と思われている可能性があります。
更新が滞っているると、企業の活動が止まっているように見え、結果、情報収集の意欲も、エントリーも減ってしまいます。
つまり、こういうことです。
せっかく求職者があなたの会社に興味を持って、サイトを訪れてくれたのに──。
「あれ?このお知らせ、2年前のままだ…」
「この会社、もう採用活動終わっているのかな?」
そう思われて、応募をやめてしまう。
採用サイトは、企業の「顔」です。
求職者との最初の接点です。
そのツールの更新を放置することは、貴重な採用機会を自ら手放しているのと同じなんです。
なぜ更新が止まると、採用機会を失うのか?
理由は3つあります。
理由①:検索エンジンに評価されなくなる
検索エンジンは、新しくて頻繁に更新される情報を高く評価します。
更新が止まったサイトは、検索結果で上位に表示されにくくなります。
つまり、求職者の目に触れる機会が減ってしまうんです。
理由②:求職者の信頼を失う
「この会社、採用に本気じゃないのかな…」
「この情報は過去のもので、今は違うのかも?」
更新が止まったサイトを見た求職者は、そう感じてしまいます。
せっかく、求人を見てサイトを訪問してくれた求職者のモチベーションや志望度を下げてしまうのです。
最新の社員インタビューや活動報告がないと、働くイメージも持てません。
理由③:採用ノウハウが蓄積されない
更新しないということは、効果測定もしていないということ。
「どんな情報が求職者に響くのか」というデータが社内に蓄積されません。
これは、将来の採用活動における貴重な「採用資産」を失っているのと同じです。
採用は一朝一夕で成果を出すことはできません。また、成功パターンは会社によって違います。
だからこそ自社の成功例を収集し、次に活かす必要があります。
| 更新が止まると起こること | 失うもの |
| 検索エンジンに評価されない | 求職者の目に触れる機会 |
| 求職者の信頼を信頼減少 | 応募意欲・エントリー数 |
| 採用経験・ノウハウが蓄積されない | 将来の採用活動のための「資産」 |
でも、どう更新すればいいか分からない…
ここまで読んで、こう思った方もいるかもしれません。
「更新が大事なのは分かった。でも、何を更新すればいいの?」
「忙しくて、そんな時間ないんだけど…」
わかります。
その気持ち、すごくわかります。
実際、「作って終わり」になってしまう企業には、こんな共通点があります。
- 何を更新すれば良いか分からない
- サイト更新の担当者が曖昧、またはプロセスが複雑
- 効果測定をしていない
この悪循環、心当たりありませんか?
でも、大丈夫です。
実は、「選考での声を活かす」というシンプルな方法で、採用サイトを強力なツールに変えた企業があるんです。特別なリソースも、高額な予算も必要ありません。
選考での”声”を反映し続けた企業の成功事例
コロナ禍で媒体予算が削減される中、成果を上げた製造業A社
大阪のある製造業A社は、専門的な技術力を持つ理系学生の採用に長年苦戦していました。
コロナ禍で合同説明会は中止。採用媒体への出稿予算もすべてカット。かなり厳しい状況でした。
理系学生に『A社も、募集しています!』と知ってもらう機会が無かったんです。
そんな時、A社の採用担当、中村さん(仮名)から、こんな相談を受けました。
「予算ゼロでも“見つけてもらえる採用”って、できますか?」
そこから、中村さんと私の挑戦が始まりました。
幸いにも、予算カット前、専門知識がなくても直感的にサイトを更新できるiRecの公開が完了していました。
予算カットでも、理系学生を1名は採用するというミッションを諦めなかった中村さんと私が挑戦したこと。それは、自社の採用サイトを軸とした採用戦略でした。
A社が実践した「選考での声を反映する仕組み」
A社の成功の秘訣は、採用サイトの更新を選考プロセスと完全に連動させたことです。
Step 1: 選考での「声」を徹底ヒアリング
面接やインターンシップ、内定者との面談の場で、求職者からの「声」を徹底的にヒアリングしました。
- 「どんな検索キーワードで、うちのサイトにたどり着きましたか?」
- 「サイトのどのコンテンツに惹かれましたか?」
- 「入社を決めた、一番の理由は何ですか?」
- 「サイトで、もっと知りたかった情報はありますか?」
可能な場合は、内定辞退者や選考辞退者にも実施。
自社に不足していることを客観的に振り返ることのできる貴重な意見です。
内定辞退者へのヒアリングは、採用活動に候補者視点を取り入れるための有効な手段です。
Step 2: 「発見された言葉」をサイトに反映
ヒアリングで得られた「リアルな言葉」を、次の採用サイト更新に活かしました。
例えば──。
- 「〇〇(専門技術) 研究開発」で検索していたら、 そのキーワードを盛り込んだコンテンツを作る
- 「社員の〇〇さんへの憧れ」が決め手だったら、その社員の新しいインタビュー記事を掲載
- 「風通しの良さ」という言葉が多かったら、具体的なエピソードをコンテンツ化
- 「キャリアパスが見えない」という不安があったら、キャリアステップを可視化
Step 3: 「企業が伝えたいこと」から「求職者が知りたいこと」へ
求職者が実際に使った「発見された言葉」を、そのまま”採用機会を創出する言葉(きっかけ)”として翻訳して、サイト全体に散りばめていったんです。
例えば──。
企業側:「先進的な技術開発」
求職者:「最新のAI技術に触れられる環境」
だったら、後者の表現をサイトに反映させた方が、求職者にとっては、より具体的にイメージしやすく、共感を得られやすいです。
A社は、このプロセスを繰り返すことで、採用サイトを「企業が伝えたいこと」から「求職者が知りたいこと」へと徐々にシフトさせていきました。
結果:応募数が大幅に改善
サイトの更新頻度を高めることで、検索エンジンからの流入が増加。理系学生からの応募が、サイト経由で入るようになりました。
実際、iRecを導入した企業からは、こんな声が届いています。
「応募者の数が約10倍に増えました」
「採用サイトの公開後、半日で14名の応募がありました」
A社も同じです。選考で得た一次情報をサイトに反映する。そのサイトを見た新たな求職者が応募する。またその選考から新たな声が生まれる──。
こんな好循環を生み出したんです。
<採用サイクル>
- 採用サイトを公開 → 求職者が応募
- 選考でヒアリング実施
- 得られた「声」を分析・整理
- サイトに反映(コンテンツ追加・修正)
- 1に戻る(継続的な改善)
このサイクルを回すことで、採用サイトは常に「今の時代の求職者が求める情報」で満たされます。その結果、企業と求職者の距離は、徐々に縮まっていきます。
明日からできる、採用サイトを”育てる”3つのアクション
A社の事例を読んで、こう思った方もいるかもしれません。
「うちでも、できるかな…?」
大丈夫です。
できます。
特別なリソースも、高額な予算も必要ありません。
ここでは、明日からできる、採用サイトを”育てる”3つのアクションをご紹介します。
アクション①:次の面接で、候補者にこう尋ねてみる
「私たちのサイトの、どこに興味を持ってくださいましたか?」
「どんなキーワードで検索したら、ヒットしましたか?」
たったこれだけです。この一言から、あなたの会社の採用サイトを「育てる」旅が始まります。候補者の答えをメモして、次のサイト更新に活かしてください。
アクション②:内定者・内定辞退者にヒアリングを実施する
内定者には、「入社を決めた、一番の理由」を聞いてください。
内定辞退者には、「どんな情報があれば、入社を検討できたか」を聞いてください。
このヒアリングで得られた声は、次年度の採用活動における貴重な「採用資産」になります。
アクション③:人事部門内で採用サイトを更新できる体制を作る
外部業者に頼まないと更新できない体制では、タイムリーな情報発信が困難です。
iRecのようなツールを使えば、専門知識がなくても、人事部門内で採用サイトを運用できる体制を作れます。
人事だけで採用する時代は、最大限の成果を得られません。
社員と協同し、新しい仲間を一緒に採用していく。
その手段の一つが、社員と一緒に育てる「採用サイト」なんです。
まとめ:採用サイトは”人事が育てる資産”
採用サイトは、一度作って完成するものじゃありません。
日々の採用活動を通じて得られる「学び」を反映させながら、人事担当者自身が”育てていく資産”です。
選考で出会う求職者一人ひとりの声に耳を傾ける。
彼らが何に惹かれて、何を求めているのかを深く理解する。
そして、その「声」を道しるべに、採用サイトという名の地図を少しずつアップデートしていく。
その地道な繰り返しが、最終的に、自社が本当に求める人材との出会いを引き寄せる、最も確実な道筋になります。
あなたの会社の採用サイトは、今、どんな状態ですか?
もし「作って終わり」になっているなら──。
まずは、次の面接で候補者にこう尋ねてみることから始めてみませんか?
「私たちのサイトの、どこに興味を持ってくださいましたか?」
その一言から、あなたの会社の採用サイトを「育てる」旅が始まります。

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