選考辞退を防ぐには?面接「前後」の候補者コミュニケーションを見直す5つの工夫

  • 投稿日:
  • 更新日:
選考辞退を防ぐには?面接「前後」の候補者コミュニケーションを見直す5つの工夫

「この人にはぜひ来てほしい」と思っていた候補者から、面接のあとに届いた「選考辞退のご連絡」。
採用担当者なら、一度は経験があるのではないでしょうか。

応募を集めること自体が難しい今、自社が求める人物像に近い候補者、いわゆる「質の良い応募」は簡単には得られません。だからこそ、面接で手応えを感じた候補者に辞退されると、「面接で何か悪い印象を与えてしまったのでは?」と考えてしまいます。

もちろん、面接そのものに原因があった可能性もあります。ただ、この記事では少し別の視点から、選考辞退を防ぐ方法を考えます。キーワードは、面接の「前後」のコミュニケーションです。面接官の力量だけに頼らず、今日からでも取り入れられる5つの工夫と、そのときに役立つ採用サイトの活用法をご紹介します。

1.「いい人だったのに辞退された」はなぜ起きる?

よくある対策は「面接官のスキルアップ」と「選考フローの見直し」

選考辞退が続いたとき、企業がまず考えるのは次のような対策です。

  • 面接官のスキルを高める:候補者の話をもっと引き出す、会社の魅力を上手に伝える、相手に合わせて話す内容を変える
  • 選考フローを変える:面接の前に現場社員とのカジュアル面談を入れる、面接と面接の間に社員面談を設ける

どちらも大切な取り組みです。候補者の緊張をほぐし、自然な会話を引き出し、その人に合わせて会
社の魅力を伝えられる「惹きつけ上手な面接官」の力は本物です。

面接の30分だけで、志望度を上げようとしていませんか?

一方で、その面接力を全社員に広げるのは簡単ではありません。面接のうまさはどうしても属人化しやすく、面接官によって経験値も違います。全員のスキルを継続的にトレーニングするのは、特に中小企業ではなかなか現実的ではないでしょう。

そこで一度立ち止まって考えたいのが、「面接の時間だけで、候補者の志望度を上げようとしていないか」という問いです。面接官の力量を高めること以外にも、候補者の志望度を高める方法はあります。

なお、カジュアル面談で志望度が下がってしまうケースについては、カジュアル面談で志望度が下がる?『最強の分身』を作る解決策でも詳しく解説しています。

2.候補者の志望度は、面接「前後」でも変わっている

候補者の志望度は、面接の30分間だけで決まるものではありません。選考の流れに沿って、候補者の
気持ちを追ってみましょう。

  • 面接前:「どんな会社なんだろう」「どんな人が面接するんだろう」と、興味と不安が入り混じっている
  • 面接当日:社員と話しながら、「この会社で働くとしたら、どんな感じだろう」とイメージする
  • 面接後:「思っていたより面白そうだった」「もう少しこの会社を知りたい」と感じる
  • 次の選考まで:他社の選考も並行して進み、企業同士を比べて検討する

注目したいのは、企業側が何もしていない時間にも、候補者の中では比較が進んでいるということです。面接の30分だけを切り取るのではなく、面接前から次の選考までの一連のプロセス全体で、候補者との接点を設計する。これが、選考辞退を防ぐための基本的な考え方です。

ここからは、面接前と面接後に分けて、具体的な5つの工夫をご紹介します。

3.面接前にできる3つの工夫

工夫1:「面接官紹介」を事前に送る

面接日程が決まったら、「当日はこの社員がお話しします」と、面接官の紹介ページを候補者に送ってみましょう。特に新卒採用でおすすめしたい方法です。

社会人経験のない学生にとっては、「社会人と話す」だけでも緊張するものです。「何を聞かれるんだろう」「怖い人だったらどうしよう」と不安を抱えたまま面接に来る学生も少なくありません。

紹介ページには、次のような情報を載せておくと効果的です。

  • 顔写真・名前・役職
  • これまでの経歴、入社した理由、普段の仕事内容
  • 趣味など、人柄が伝わる情報

事前に面接官のことを知っておくと、「この人なら話しやすそう」「自分と少し似た経験がある」と、面接官を身近に感じてもらいやすくなります。さらに、「この人にはこれを聞いてみよう」と質問を考えておけるため、面接が一方的な質疑応答ではなく、お互いにとって有意義な会話になりやすくなります。

企業は候補者のエントリーシートや履歴書を読んでから面接に臨みます。それなら、候補者も面接官のことをある程度知った状態で臨めるほうがフェアだ、という考え方もできるはずです。

工夫2:当日の流れと「話すテーマ」を伝えておく

面接官が誰か分かっても、「当日は何をするんだろう?」という不安は残ります。面接の案内をするときは、次のような情報もあわせて伝えておきましょう。

  • 所要時間と当日の流れ
  • 面接の形式(1対1か、複数人か)
  • 筆記試験・適性検査の有無
  • どんなテーマについて話すのか

【案内メールの例】
当日は30分程度を予定しています。最初に会社や仕事内容をご説明したあと、これまでのご経験についてお伺いします。最後にご質問のお時間も設けています。
主に「これまでのご経験や仕事内容」「今回のポジションでお任せしたい仕事」「仕事で大切にしていること」についてお話しできればと思います。

「テーマまで伝えたら、回答を準備されて素の姿が見えなくなるのでは?」と思われるかもしれませ
ん。ですが、質問を一言一句そのまま伝える必要はありません。ある程度準備してもらうことで、「本
当は伝えたかったのに、緊張してうまく話せなかった」ということを減らせます。

大切なのは、「何を聞かれるかを教える」のではなく、「どんな面接なのかが分かるようにしておく」ことです。せっかく時間をつくるのですから、企業も候補者も、知りたいこと・伝えたいことを十分に
話せたほうがいいはずです。

工夫3:「見てほしい情報」をピンポイントで案内する

面接前の案内でよくあるのが、「採用サイトをご覧ください」という一文です。ただ、採用サイトには
社員紹介や仕事内容、キャリア、会社の雰囲気など、さまざまな情報が載っています。丸投げされて
も、候補者はどこを見ればいいのか分かりません。

そこで、候補者が受けるポジションに関係する情報をピンポイントで案内しましょう。

【案内の例】
今回の面接は営業職ですので、こちらの営業社員インタビューもぜひご覧ください。
今回のポジションでお任せしたい仕事は、こちらの仕事内容ページでもご紹介しています。

候補者は、面接当日のイメージを意外と持てていません。事前に情報を届けておくと、「面接で聞きたいこと」「自分が確認したいこと」がはっきりし、当日の会話がより深まります。面接前の情報提供は、会社の魅力を伝えるだけでなく、候補者が面接を有意義に使うための準備を手伝うことでもあるのです。

4.面接後にできる2つの工夫

工夫4:「ありがとうございました」で終わらせない

面接が終わると、「本日はありがとうございました」という定型文のお礼メールを送って終わり、というケースも多いのではないでしょうか。お礼を伝えることはもちろん大切です。ただ、面接後は、候補者が会社について改めて考える時間でもあります。この時間を活かさないのは、もったいないことです。

おすすめなのは、面接での会話を踏まえた情報を届けることです。

面接後のフォローの例を示す図。面接で候補者が話していたこと(裁量を持って働きたい、キャリアが気になる、仕事内容を知りたい)に合わせて、若手社員インタビュー・キャリア事例・プロジェクト紹介を届ける。お礼メールに一言添える文
例つき

たとえば、候補者が面接で「若いうちから裁量を持って働きたい」と話していたなら、近い働き方をしている若手社員のインタビュー記事を送る。
キャリアアップについて質問されたなら、キャリア事例を送る。仕事内容をもっと知りたいと話していたなら、プロジェクト紹介を送る、といった形です。

【お礼メールに添える一文の例】
本日はありがとうございました。
面接でお話しいただいた○○について、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
よろしければご覧ください。

会話を踏まえた情報を送ることは、「あなたの話をちゃんと聞いていました」というメッセージにもなります。候補者にとっては、自分の話を受け止めてもらえたと感じられる、うれしい体験です。そして、面接だけでは伝えきれなかった会社の魅力を、もう一度考えてもらうきっかけにもなります。

工夫5:次の選考までの「空白期間」をつくらない

一次面接から二次面接まで、1〜2週間空くことも珍しくありません。この期間に候補者との接点がまったくないと、次のようなことが起こりがちです。

  • 他社の選考が先に進んでしまう
  • 面接直後は高かった関心が、時間とともに薄れていく
  • 入社後の自分をイメージできないまま、比較検討が進む

複数社の選考を受けている候補者は、企業が何もしていない間にも比較を進めています。だからこそ、この空白期間を「何もしない時間」ではなく、「企業理解を深めてもらう時間」に変えましょう。

  • 次回面接の担当者を紹介する
  • 配属予定の部署を紹介する
  • 一緒に働く社員のインタビューを送る
  • 入社後のキャリアを紹介する

こうした情報を少しずつ届けておけば、次の面接では「前回よりも会社のことを知っている」状態で話ができます。

5.採用サイトを「候補者とのコミュニケーションのハブ」にする

ここまでご紹介した5つの工夫には、共通点があります。それは、候補者に合わせて、必要な情報を、必要なタイミングで届けるということです。そして、それを実践するうえで便利なツールになるのが、採用サイトです。

「採用サイトを見てください」では届かない

採用サイトは、「会社の情報を載せておく場所」と思われがちです。しかし、候補者が採用サイトに来たからといって、すべてのページをくまなく見てくれるわけではありません。情報が少なければ知りたいことが見つからず、逆に情報が多くても、すべてに目を通してもらうのは難しいものです。

だからこそ、選考に進んだ候補者には、企業側から「このページを見てみてください」と案内することが大切です。

  • 面接前:「次回は○○が面接を担当しますので、こちらの社員紹介をご覧ください」
  • 面接後:「本日お話しいただいた○○について、こちらの記事でも詳しく紹介しています」
  • 次の選考前:「次は○○部の社員が面接しますので、こちらの部署紹介もご覧ください」

「採用サイトに来てもらう」のではなく、採用サイトの中から「今、必要な情報」に案内する。この使い方をするだけで、採用サイトの価値は大きく変わります。

候補者によって「知りたいこと」は違う

候補者によって、企業を知るうえで重要な情報は異なります。どんな人と働くのかを知りたい人もいれば、入社後のキャリアが気になる人、仕事内容を詳しく知りたい人、会社の雰囲気を知りたい人もいます。

だからこそ、採用サイトにはできるだけ幅広い情報を蓄積しておくことが大切です。社員紹介ひとつをとっても、新卒入社・中途入社・異業種からの転職者・若手社員・管理職など、さまざまなキャリアの人が載っているほど、「この候補者には、この人の記事を見てもらおう」という選択肢が増えます。

「この人には、この情報を見てほしい」という採用担当者の意図と、「自分が知りたいのは、この情報だ」という候補者のニーズ。その両方をつなぐ場所として採用サイトを活用すれば、採用サイトは候補者とのコミュニケーションのハブになります。候補者が自分で興味のある情報にたどり着ける導線づくりについては、採用サイトの共感ポイント設計── iRecのタグ機能で“探したくなる導線”をつくるも参考にしてください。

「案内できる採用サイト」に必要な5つの要素

候補者に情報を届けるための採用サイトには、次の5つが欠かせません。

 要素 意味 ポイント
 量 知りたい情報が、ちゃんとある 仕事内容・社員・キャリア・働き方など、候補者のさまざまな疑問に答えられる情報量
 鮮度 今の会社が、ちゃんと伝わる 数年前の情報ばかりでは、今の姿は伝わらない。「今も採用に力を入れている」と感じてもらう
 具体性 働く姿が、イメージできる 「風通しの良い会社です」ではなく、実際の仕事や働く人を具体的に見せる
 リアリティ 入社後のギャップを減らせる 良いことだけでなく、仕事の大変さや職場のリアルな雰囲気も伝える
 導線 知りたい情報に、迷わずたどり着ける 求人→社員インタビュー→キャリアページなど、深掘りしながら理解を深められる

特に「鮮度」は、更新が止まりがちな採用サイトで見落とされやすいポイントです。更新のペースや内容の目安は、採用サイト、どれくらいのペースで更新すべき?更新内容と効果を徹底解説!で解説しています。

6.今日からできるチェックリスト

最後に、面接前後のコミュニケーションを見直すためのチェックリストをまとめました。すべてを一度に始める必要はありません。できていない項目から、一つずつ取り入れてみてください。

面接前後のコミュニケーションのチェックリスト。面接官紹介を事前に送る、当日の流れ・テーマを伝える、ポジションに合った情報を案内する、会話を踏まえた情報を届ける、次の選考までの間も接点を持つ、の5項目と、採用サイトの情報量・最新性の追加チェック
  • 面接官の紹介を事前に送っている
  • 当日の流れ・話すテーマを伝えている
  • ポジションに合った情報をピンポイントで案内している
  • 面接後、会話を踏まえた情報を届けている
  • 次の選考までの間も接点を持っている
  • 【採用サイト】案内できるページ(社員インタビュー・仕事内容・キャリアなど)がそろっている
  • 【採用サイト】情報が最新になっている

まずは次の候補者で、面接案内のメールに面接官紹介ページのURLを1行添えるところから始めてみてはいかがでしょうか。

まとめ|面接の30分を、前後も含めた体験に

「いい人だったのに辞退された」を防ぐために大切なのは、面接官の力量だけに頼らない仕組みをつくることです。

  1. 面接「前」に情報を届ける:面接官紹介や関連コンテンツを事前に送り、候補者が安心して臨める環境をつくる
  2. 面接「当日」をお互いを知る場にする:一方的に見極めるのではなく、候補者の話を聞き、その人に合わせて魅力を伝える
  3. 面接「後〜次の選考」も接点を途切れさせない:定型文で終わらせず、会話を踏まえた情報を届け、空白期間をつくらない

一つひとつは大がかりな施策ではありません。それでも、小さな工夫を積み重ねることで、「面接の30分だけで候補者を惹きつける」採用から、「面接の前後も含めて、会社全体で候補者とのコミュニケーションをつくる」採用へと変えていくことができます。

「次の面接の前に、この候補者に何を知ってもらうといいだろう?」「面接のあと、どんな情報を届けたら会社理解がもっと深まるだろう?」。次の選考から、ぜひそんな視点で候補者とのやりとりを見直してみてください。

iRecは、採用担当者が自社で情報を更新しながら、候補者に合わせてコンテンツを増やしたり改善したりできる採用サイトのCMSです。「量」「鮮度」「具体性」「リアリティ」「導線」を意識した採用サイトを、作って終わりにせず育てていくことができます。自社の採用力を手軽に確かめたい方は、採用力AI診断もぜひお試しください。iRecの機能や導入事例は、資料請求からご覧いただけます。

の
資料請求はこちら!

資料ダウンロード

iRecについて気になることがございましたら、
なんでもお気軽にご相談ください!
採用サイト制作・活用に関する
無料オンライン相談も随時承っております。