少子高齢化の影響で労働人口が減少していることにより、企業の人材獲得が年々難しくなっている中、自社の求める人材を採用するためには、採用サイトの制作・改善・活用が効果的です。一方で、企業の中にはサイトの制作や改善をする余裕がないケースもあります。
この記事では、企業における採用活動の課題とその対処法、採用・求人サイトの制作や改善に活用できるIT導入補助金の概要について解説します。
目次
新卒・中途採用における主な3つの課題
総務省統計局の人口に関する情報(https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1191.html)によると15~64歳人口及び総人口に占める割合は平成4年の69.8%をピークに減少傾向にあり、平成30年の時点では59.7%と10ポイント以上低下しています。
このように労働人口が減り続けると、企業にとって人材確保の場面で厳しい「売り手市場」が継続してしまいます。また、昨今は人々の人生に対する価値観や仕事選びの基準の多様化、コロナ禍による採用活動のオンライン化などもあり、従来通りのやり方だけではなかなか採用が上手くいかなくなっています。
企業が直面している主な課題としては、以下が挙げられます。
- 費用を求人媒体への掲載や大々的なPRをしても、母集団形成ができない
- 求める求職者と出会っても、内定承諾を得られない
- ミスマッチにより採用しても活躍せずにすぐやめられてしまう など
課題解決に向けた施策を行うも、改善されてない
前章で触れた課題を解消するために「求人票(募集要項)の修正・調整」や「掲載する求人媒体の変更・追加」「新たな人材エージェントへの相談」などを行うことも多いですが、それだけでは十分な成果を得られないことも少なくありません。
「求人票(募集要項)の修正・調整」の落とし穴
求人サイトや人材紹介企業に依頼する求人票に情報を詳しく書き足したり、広告の出稿量を増やしたりするなどの調整を行ったとしても、期待したような成果につながらないこともあります。
「求人票」には形式があり、書くべき項目や文字数などに制限があります。そのため、項目外の内容で自社の魅力を訴求したくてもできないという状態に陥ってしまいます。また、そのような求人票に対してただ広告量を増やしても、無駄な費用が発生しただけで良い人材の採用には至らないケースが少なくありません。
「掲載する求人媒体の変更・追加」の落とし穴
利用していない求人サイトへの追加掲載や流行しているSNS採用を試みるケースも少なくないでしょう。確かに、少しでも自社の求人の露出を増やすのは効果的と言えます。しかしながら、その求人を見ただけで応募し、そのまま選考を進んで内定応諾をする求職者の方は決して多くはないと考えられます。認知拡大とともに、「この会社で働きたい」と動機付け・魅力付けをしていくことが必要です。
「新たな人材エージェントへの相談」の落とし穴
人材エージェントから人材の紹介がない、紹介はあっても求める人物像とはかけ離れた人材で採用できない。そうしたときに、別の会社に相談する企業は多いかと思います。ただ、これも功を奏する場合とそうでない場合があります。どの会社に依頼してもやはり上手くいかないのであれば、「エージェントから候補者へ企業の魅力やそこで働く上でのやりがいなどが上手く伝えられていない」「エージェントがそもそも企業について理解を深められていない」といった要因が考えられます。これを解消するには、自社の情報や魅力をより積極的に発信していくことが求められます。
上記に挙げた対応策はどれも「悪手」ということではございませんが、「それだけでは簡単に採用は成功しない」ということを念頭に進めていただくのが良いでしょう。
ではこれらの対応策の弱点をカバーするために何をすればよいのでしょうか。
見落としがち、あるいは後回しにしがちな対応として、「採用サイトの制作・改善・活用」が挙げられます。自社の情報を自由に発信でき、求職者の企業理解を深め、動機付けをしていくことが可能となります。
採用サイトを活用する主な5つのメリット
本章では採用サイトを活用することの主なメリットについて紹介します。
メリット1:自社の魅力をより詳しく伝えられる
求人票のように項目や文字数、レイアウトに縛られることなく、自社の魅力を、自由に訴求することができます。
メリット2:ミスマッチの減少
社風や理念、業務の内容、社内の雰囲気など自由に表現できるため、求職者に対して、自身が働いているイメージを持ってもらいやすくなり、選考辞退やミスマッチによる早期離職を減少させることにつながります。
メリット3:採用コストを最適化できる
「応募が来ないから、採用できないから求人広告の予算を追加する」では、採用コストは青天井になってしまいます。採用サイトを活用し、マッチする人材にしっかり訴求していけるようになれば、必要最低限の母集団形成コストで済みます。また、人材紹介などの採用成果報酬型のサービスでは、ミスマッチで採用した方が期待通り活躍してくれなかったり、すぐに辞めてしまわれたりした場合に、支払った手数料が無駄になってしまいます。そのためにも、採用サイトでミスマッチ防止の手を打っておき、採用コストを最適化しましょう。
メリット4:採用競合との差別化
採用サイトで自社の情報を十分に出すことにより、自社の魅力や採用競合との違いが求職者にきちんと理解され、企業選びの段階で優位に立つことができます。
メリット5:自社のノウハウ蓄積・採用力向上
採用サイトは自社で運用していくものですので、外部サービスだけに依存して採用活動をしていくよりも、自社自身の採用力が向上するメリットもございます。
十分なメリットのある採用サイトの活用ですが、実際に「自分たちで制作できるのか?」や「結局大きなコストが必要なのでは?」といった不安もあるかと思います。
次章ではこのような不安を解消するサービス「iRec」を紹介します。
採用サイト制作支援サービス「iRec」の紹介
「iRec」は誰もが簡単かつ、短期間で採用サイトを作成することのできる採用サイト支援サービスです。用意されているテンプレートを活用することで、簡単にサイトを制作することができますし、自由な表現も可能です。HTML/CSSといった専門知識がなくとも、メールやブログ作成の感覚で、簡単に採用サイトを作成・更新することができます。
iRecに求人を掲載するだけで、Indeed、求人ボックス、スタンバイ、キャリアジェット、Googleしごと検索にも自動連携されます。これにより転職意向がある人の来訪者を増やすことも可能です。
また、「IT導入補助金2024」(令和5年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業)において、「IT導入支援事業者」として採択されており、補助金対象ITツールとして採用サイト支援サービス「iRec」とその導入・活用に関わるオプションサービスが認定を受けています。IT導入補助金を活用することで、導入費用を実質半額にすることもでき、コスト面での不安も解消されます。
IT導入補助金については次章以降で解説いたします。
採用サイトの活用を後押しするIT導入補助金とは?
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者が抱える課題やニーズに応じたITツールを導入するための経費を一部補助することで、中小企業・小規模事業者の業務効率化や売上アップをサポートする事業です。
資本金や従業員の数など、業種・業態によって細かく条件が設定されていますが、人材獲得を目的とした求人サイトもIT導入補助金となっています。
IT導入補助金受け取りの流れ
IT導入補助金を受け取るにあたっては、まず事業がどのような目的で行われているものなのか理解するところから始めましょう。
事業の概要が把握できたら、自社の課題を解決するために必要なITツールの選択や事前準備を行います。
導入したいツールを決めた後、交付申請を行い、採択され次第ツールの契約・導入・活用をスタートします。
なお、ツールを利用した事業の実施後は、最終的に事業実施効果報告を提出しなければなりません。
このように補助金を活用するにあたっては、補助金を使用しない通常のツール導入と比べ、必要な過程が増えますが、IT導入補助金は、一般的な他の補助金と違い、申請企業がIT導入支援事業者のサポートを受けながら共同で申請するため、申請企業側の負担は大きくないケースがほとんどです。
補助金の申請というと難しそうなイメージを持っている企業の担当者もいるかもしれませんが、IT導入補助金は比較的ハードルが低いといえます。
IT導入補助金採択のポイント
IT導入補助金は、申請すればどの企業でも採択されるものではありません。採択されるためには、ポイントを押さえた上で申請することが重要です。
生産性向上の意欲をアピールする
IT導入補助金では、選択肢を選ぶ項目が複数ありますが、選択肢を選ぶ際、生産性向上や業務のIT化に反した項目を選ばないことが大切です。また、フリー記入欄では無記入とするのではなく、補助金の必要性をアピールし、ITツールの導入によって生産性向上につながることなどを最大限伝えてください。
書類の情報に不備がないかをチェックする
IT導入補助金は自由記述欄も提出書類も少ないため、誤字脱字等の入力ミスは特に目立ちます。入力ミスは大きく減点されるため、不備がないか何度も確かめてください。また、提出書類と申請時に記載した情報にズレがないか、整合性のチェックも欠かせません。
導入予定のITツールによって得られる効果を明記する
自社の弱みを明確にした上で、弱みを解決してくれるITツールがどのようなものなのか、ツールの導入によってどのような効果が得られるのかストーリー性を持って明記することが大切です。
自社の弱みを把握にするためには、現状の洗い出しを行い、その上で自社のニーズに応じたツールを選択する必要があるため、時間をかけて具体的な効果を明確にする必要があります。
採用課題の本質的な解決に取り組むなら
IT導入補助金を活用することで、コストを抑えながら、採用サイトの制作・改善・活用が可能となります。
採用サイトの効果的な活用は、求める人材の獲得を実現するなど、採用課題の本質的な解決につながるものです。人材獲得に苦戦している企業は、IT導入補助金を活用した採用サイト制作・リニューアルを検討してみてください。