採用活動は企業の成長に繋がる人員を確保する大切な企業戦略といえます。そのため、採用した人が活躍することで初めて採用の成果があったといえます。そうした採用活動で最も避けたいこと、それは採用のミスマッチではないでしょうか?
どんなに魅力的な候補者が採用できたとしても、ミスマッチによって早期退職することになると、採用労力やコストがすべて無駄になってしまいます。企業側・候補者側双方にとってなんの利益にもなりません。
なぜミスマッチが発生するか
それは、何かしら理想と現実のギャップがあるからです。理想とは事前に思い描いていたイメージや期待のこと。そのため、働く前の採用プロセスでいかに具体的な仕事イメージを伝えるか、また、自社の風土の中で業務遂行ができる人物かを見極めていく必要があります。
通常そういったギャップを埋めるための採用プロセスはありますが、ミスマッチが起こる際には以下の行動が取られていることが多くあります。
採用ミスマッチの主な原因
- 面接で自社やポジションのメリットばかりをアピールする。
- 経歴や成果のみ評価して内定を出した
- 入社後に候補者のフォローをしなかった
思い当たる行動はありましたか? もし、1つでもあてはまるようでしたら以下のアクションを実施してみましょう。
それだけでグッと採用の成功確率を上げることができます。
採用ミスマッチを防ぐ3つの方法
- 会社についてのメリットだけではなく、デメリットも伝える。
- 候補者自身について質問をする。
- 入社確定した候補者をフォローする。
それでは、以下から1つひとつについて、詳細の説明です。
1. 会社についてのメリットだけではなく、デメリットも伝える
魅力的な候補者が面接に来た際、面接官は採用したいという気持ちから自社のいいところばかり伝えて口説こうとすることがよくあります。口説くことはとても大切です。ただ、口説くことに躍起になってばかりいると、自社のいい面ばかり伝えてしまいがちになります。
そうなると、入社前のプラスのイメージばかりを持ってしまうため、入社後にマイナスなことがあると事前イメージとの違いから候補者は「こんなはずではなかった」と感じやすくなりモチベーションを下げてしまうことが多くなります。そうなることを防ぐためにも候補者にとってのメリットだけではなくデメリットも伝えましょう。
例えば、「若くして仕事を任せる」ということが候補者の志向にあてはまる時には、「若くして仕事を任せるけれども、裁量が大きいため残業が多くなるかもしれませんが大丈夫ですか?」など、実情に合った伝え方になるようにしましょう。
ただ仕事を任せるというメリットを伝えただけよりも、より仕事の詳細なイメージが伝わりつつ、デメリットも伝えることができますので、候補者は入社を決めるにあたり、「正しい覚悟」をもつことができるようになります。
また、発生しうるデメリットも可能性として伝えましょう。入社前にマイナスなことを聞いていれば心の準備ができるため実際にマイナスな出来事が起きたとしても乗り越えていきやすくなります。
2. 候補者自身について質問をする
成果を出せる方はとても魅力的な候補者です。ただ、その成果はどのように出すことができたのかといった過程が重要なポイントでもあります。どんなハイパフォーマーでも自社や部署のやり方・風土に合わなければ力を発揮しきれませんし、環境のミスマッチから不満が生じる可能性があります。
そのため、「今、何ができるか」ということよりも、自社の状況や風土にどのように適合し、成長していけるか、成果を出していけるかという先を見据えた目線の方が、長きにわたって活躍する人材を採用する上では大切なポイントとなります。
その点を確認するためにも、面接時にはその候補者ならではのやり方や、どんな環境であると仕事をしやすいか、苦手なこと、今後の希望等候補者自身について確認しておきましょう。漠然と質問をしても、候補者はなかなか思いつかないかもしれませんので、自社の風土や仕事のやり方について交えながら質問してみると知りたい回答を導けると思います。
例えば、「常に複数案件を持って仕事を進めていくのですが、マルチタスクに仕事をすることは得意ですか?」と聞いてみたり「メール量が多いが事務処理は苦手ですか?」と聞いてみるのはいかがでしょうか?こちらの確認したい要旨も伝わり、候補者も業務イメージをより詳細に把握できるようになります。
3. 入社確定した候補者をフォローする
面接が終われば採用が終わりというわけではありません。冒頭に述べたように、採用ができてもミスマッチが生じすぐに退職しては意味がありません。初期フォローという意味でも入社の決まった候補者には密にコンタクトを取りましょう。
頻繁に連絡をすることで、候補者が少しのことでも相談しやすくなり、入社前の辞退を減らすことができます。また、入社後も継続フォローをすることで、候補者の相談事があった際、事象によっては部署に相談することで解決ができ、働きやすい環境作りをすることができます。
内定者や入社して間もない人は、最も自社の近くで客観的に会社やポジションを見ている人です。こちらとしては面接時に正しく情報を伝えたつもりになっていても本当に伝えたかったことが伝わっているかは別となります。選考や自社のイメージはどうだったかを教えてもらうことで、外部から見た自社の印象を知ることができ、何か想像と違ったことがあればその点を踏まえ次回採用に活かし、面接のPDCをまわしていくことができます。
人材エージェント経由であればエージェントにもフィードバックをもらうことをお勧めします。客観的な視点を取り入れられるだけ取り入れ、振り返りをし、情報伝達の精度を上げていきましょう。
いかがでしたでしょうか? 自社について客観的に理解をし、情報が正しく伝わるよう心掛けるだけで、採用の成功を呼び込むことができます。誰もが幸せな働き方ができるようしっかりと見極めるということが採用者のミッションでもあります。上記の点を踏まえ、企業側・候補者側双方に実りある採用活動を行っていきましょう。
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