第8回 採用サイトを活かす写真撮影講座
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手軽に”フルオート撮影”と差をつける、基本機能②
前回、レベルアップ1段階目の『P(プログラムオート)モード』では、以下の3つの機能が自分で選択可能となる旨をお伝えし、その一つである『ピクチャスタイル」について解説させて頂きました。
① ISO(露出3要素の一つ)
② ピクチャスタイル
③ ホワイトバランス
今回は、被写体に当たる光の色味を調整する『ホワイトバランス』という機能についてお伝えします。
“光の色味”というとピンとこない方も多いかと思いますが、「自然光」であれば朝陽から夕陽まで、「人工光」といえば蛍光灯から焚火の炎まで、「光」には白みや赤みがあり、異なる色味していることはご想像頂けるかと思います。
これらの“光の色味”の違いは「色温度」という言葉で表現され、「ケルビン(K)」という数値単位で表します。これをカメラ上では、「WB」(ホワイトバランスの英語の頭文字)と記し、以下スライドのように日陰~白熱電球などのマークで色味の選択ができるようになっています。
難しい話はさておき、シンプルにお伝えすると、写真に赤みをつけたい場合は「日陰」や「くもり」を、青みをつけたい場合は「白色蛍光灯」や「白熱電球」のマークを選択すればよいのです。
上記のスライドに載せた満月写真をご覧ください。
同じ場所で同じものを撮っても、ホワイトバランスによって仕上がりに大きな差が生まれることが分かりますよね。
『採用HP用の人物撮影写真』を前提に考えると、日中(季節によるが特に午前中が理想)の「自然光」の光を活かし、ホワイトバランスは4200K~5500Kの範囲(太陽または蛍光灯マーク)が、一番自然な雰囲気の色味になると思います。※外部環境(光の色味や明るさ)によるため、上記推奨範囲は目安としてご参照ください
特に室内撮影で窓から入る「自然光」を使えない場合、電球の光の色によっては、撮りたいイメージと違う変な色味になってしまうこともあります。そんな時にこのホワイトバランス機能を使うことで、イメージに近い色味に変更することが可能となります。
応用編となりますが、風景写真を撮影する際、夕空の赤みを強調したい時はホワイトバランスの「日陰」や「くもり」を選び、夜間のビルなど無機質な光を綺麗に見せたい時は「白熱電球」を選ぶというのは、写真撮影における一つのセオリーとしてあります。
WB 日陰
WB 白熱電球
前回の『ピクチャスタイル』と同様に色味は直感的に分かるもので、難しい数値設定も不要です。
被写体が何であれ、オート機能でカメラが勝手に選んだ色味が「何か違う」と感じられたら、ぜひこの『ホワイトバランス』を調節して撮り比べてみてください。
■執筆者
株式会社CAPTURE EMOTION
早川 伸夫
人物写真を最も得意とし、法人・個人のプロフィール写真撮影を中心に活動。
JAPAN PHOTO CONTESTや東京カメラ部主催フォトコンテスト等で多数の入賞経験あり、自然風景・建築物など、どんな被写体も美しく撮ることに定評あり。
また「写真は左脳(論理)で上手くなる」との持論から、主に中小企業・個人事業主を対象としたカメラスクールを運営し「美しい写真を撮るための方法論」を伝えている。
・FBページ:https://www.facebook.com/CAPTURE.EMOTION.Inc
・ギャラリー:https://www.cei-nobu-photography.com/gallery