第6回 採用サイトを活かす写真撮影講座
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フルオート撮影ではなぜ、思い通りの写真が撮れないのか
これまでお伝えしてきた内容は全て「カメラを使わずスマホでもできること」でしたが、本コラムの目的である「採用HP掲載用の写真をできる限り自社で撮影できるようにする」ためにはお手持ちのカメラを最大限活用していただくのがベストです。
カメラの具体的な使い方の前に、今回は撮影前に「準備をして頂きたいこと」と「撮影モードの基本的な考え方」についてお話します。
■準備をして頂きたいこと
まずお手元のカメラで最初にやってもらいたいことがあります。それはメニュー画面上で『記録画質』を最高の状態(例:SONYであればエクストラファイン。メーカーにより呼称異なる)に設定して頂くことです。
画質を高めれば、必然的に仕上がりの写真が良くなるのは当然ですが、デメリットとしてはその分データ容量を多く使い、撮影可能枚数が減ります。
ですが、今や8GBや16GBの安いメモリーカードなら1000円以下で手に入りますし、最高画質にしても数千枚の撮影が可能です。また、データをパソコンや外付HDDに移した上でメモリーカード上の写真を消去すれば、新たに数千枚の写真が撮影できます。
よって、「メモリーはケチらずに最高画質で撮影する」を基本としましょう。
■撮影モードの基本的な考え方
電源を入れてシャッターボタンを押すだけの「フルオート」モードで撮影してきた方が、レベルアップをするために避けては通れないのが『撮影モード』の理解と変更です。
カメラ右肩のダイヤルを見て頂くと、Auto、P、S、A、M(CanonはA+、P、Tv、Av、M)などの記号が書かれていると思いますが、これが『撮影モード』です。
ここで少し脱線します。そもそも写真は英語でPhotographといいますが、語源を辿ると「Photo=光」+「Graph=画」なんですね。
写真は「光で画かれたもの」である以上、写真撮影において重要なのは“光の量”を調整することになりますが、この“光の量”をカメラの機能を使って調整することを『露出』設定をすると言います。
この『露出』は、①F値、②シャッタースピード、③ISO(感度)の3要素で構成されます(少し難しいので今は覚えなくても大丈夫です)。
そして、どの『撮影モード』を選ぶかによって、この露出3要素のうちのどの要素を使って“光の量”を調整し、かつ自分の頭に描いたイメージを写真に表現するかが決まります。
大前提として理解してもらいたいのは、カメラは必ずしも自分の意を汲んで露出条件を設定してくれないということです。ですので、フルオート(全てカメラ任せ)の場合、カメラなりに良いと思った露出条件が勝手に設定されるため、ひどい時は同じ場所で同じものを何度か撮影しても写真の色味や明るさが都度変わることすらあります。、これでは思った通りの写真になかなか行きつきませんよね。。
もちろん100枚も撮れば「奇跡の1枚」が撮れることもありますが(笑)、自分の思い描いた通りの写真を高い確率で撮るためには、適切な『撮影モード』を選択してフルオートから脱却することが必須となります。
※P,A,S,Mモードの詳しい内容については次回以降順次解説します
イメージ通りに写真を表現してくれないカメラには任せきらず、自分で設定を決める。
その第一歩として、次回は一段階レベルアップした『P(プログラムオート)』モードで出来ることをお伝えしたいと思います。
執筆者
株式会社CAPTURE EMOTION
早川 伸夫
人物写真を最も得意とし、法人・個人のプロフィール写真撮影を中心に活動。
JAPAN PHOTO CONTESTや東京カメラ部主催フォトコンテスト等で多数の入賞経験あり、自然風景・建築物など、どんな被写体も美しく撮ることに定評あり。
また「写真は左脳(論理)で上手くなる」との持論から、主に中小企業・個人事業主を対象としたカメラスクールを運営し「美しい写真を撮るための方法論」を伝えている。